アメリカでは患者から研修医へのハラスメントが多いらしい。
アメリカでは患者から研修医へのハラスメントが多いらしい。医療系情報サイトのメディカルトリビューンの2020年12月26日の記事からです。カリフォルニア大学のShalila S. de Bourmont氏らの研究(アメリカ医学会雑誌 JAMAの2020年11月号掲載の論文)によると、ほとんどの研修医が患者から軽蔑や診療拒否などの偏見的態度を取られた経験があることが分かった。被害は女性、黒人、ラテン系、アジア人の場合に特に顕著で、黒人またはラテン系は45%が露骨な悪口や診療拒否を経験していた。また、アジア人は全員が民族的な出自を詮索されたと回答した。女性研修医の96%が職務に対する疑いを、87%がセクハラの被害を受けていた。男性研修医も約30%がセクハラを経験していた。さらに、ほとんどの研修医が「医療の優先」や「対応しても無益」などの理由で病院には報告していないとのことでした。どれも日本ではあまり発生しないハラスメントですが、女性研修医が患者から軽視されたりセクハラされたりという経験は日本でもあるのではないかと思います。
アメリカでは患者から研修医へのハラスメントが多いとのことですが、おそらく研修医に限ったことではないのでしょう。アメリカでは患者が医師と対等に、はっきりと意見を述べるという印象がありますので、研修医を終えた専門医でも、女性や有色人種・ラテン系はハラスメントを受けやすいのかもしれません。
参考までに、女性医師と男性医師、どちらに診てもらうと病気が治る確率が高いと思いますか?2016年のアメリカ医学会雑誌JAMA Internal
Medicineに「女性内科医が担当した入院患者は、死亡率や再入院率が有意に低い」という論文が掲載されました。「女性医師は、診療ガイドラインなどルールの遵守率が高く、科学的根拠に沿った診療を行うほか、患者とより良いコミュニケーションを取る。また、女性医師は専門外のことを他の専門医によく相談するなど、可能な限りリスクを避ける傾向がある。(Diamond
Online 2017.1.13号)」というのがその理由のようです。つまり、死にたくなければ女医を選べというわけです。
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